フランスの世界遺産

フランスは、私たち日本人が最も憧れる国の一つだと思います。ファッションや芸術、食など、フランスの一流品と聞いて思いつくものは沢山あります。それでは具体的に、私たちはどのような目的でフランスを旅するのでしょうか?ブランド物のショッピング、グルメの旅など、主な目的になりうるものは多くありますが、フランスは非常に歴史のある国で、世界遺産の件数が世界第4位を誇る、世界遺産大国でもあるのです。(2013年現在)そして、世界遺産になっている建築群や自然が、私たちを魅了していることもまた事実です。

世界遺産について具体的に触れると、現在フランスには、38件の世界遺産登録物件があります。この数字からもわかるように、フランスには後世に残すべき多くの貴重な史跡があり、自然があるのです。フランスには古代ギリシャ、ローマ時代から国を形成してきた歴史があり、その中でヨーロッパの大国として成長してきました。海外にも領土を広げるなどフランスは世界的に勢力を拡大し、その名残として、現在もアフリカ、インド洋、カリブ海などの地域にフランス語圏の領土があります。そして、大国になる過程で、多くの人種・民族が集う場所になり、ヨーロッパ一の多民族国家になりました。フランス本土では、ケルト人やラテン人、フランク人などの混血民族が主に歴史や文化を形成してきましたが、ユニレオン島やニューカレドニアなどは、いわゆる有色人種と呼ばれる非白人たちが、貴重な自然を守ってきました。このようにして、多民族が多様性を織り成し、様々な世界遺産を生み出してきたのです。

フランス本土の世界遺産は、キリスト教関連の施設と、古くからの街並みが大切に保存されている各地の市街地が圧倒的な数を占めています。フランスは人口の7割がカトリック教徒であり、古くからカトリック関連の素晴らしい施設が数多く建設されてきました。その代表的なものは、ゴシック建築の傑作である「アミアン大聖堂」や「ブールジュ大聖堂」、「ランスのノートルダム大聖堂」などです。フランスでもっとも観光客が多く訪れるスポットである「モン・サン・ミシェルとその湾」は、島全体がキリスト教の世界で、まるで天国にいるような気持ちになるところです。

古き良き街並みを残すところも非常に多く、フランスとドイツの国境沿いにある「ストラスブールのグランディル」はその好例です。そのほか、かつてローマ・カトリックの教皇庁が置かれていたアヴィニョンにある「アヴィニョン歴史地区」や、中世以来伝統的なキリスト教の都市として守られてきた「アルビの司教都市」なども大きな見どころです。

フランスといえば、美食家たちが集う場所でもあります。フランスの食文化が開花したのは中世後期のことです。イタリアからフランス王家にカトリーヌ・ド・メディシスが、オーストリアからフランス王家にはマリー・アントワネットが嫁ぎましたが、この二人は大変な美食家で、彼女たちがフランスに多くの食文化を輸入したことから、フランスの食文化は豊かになりました。また古代から多くの地域で質の高いワインが生産されていて、それらは世界遺産にもなっている「リヨン歴史地区」や「月の港ボルドー」「サン=テミリオン地域」などで堪能することができます。

フランス南部には、古代ローマ遺跡が数多く残っていて、それらも世界遺産に登録されています。その昔、現フランス領土の一部はローマ帝国の支配下にあり、都市計画や建築関連の天才であった彼らは、南ヨーロッパ各地に劇場や水道橋など多くの施設を建設しました。それらは「オランジュのローマ劇場とその周辺」「アルルのローマ遺跡とロマネスク様式建造物群」などで見ることができます。

フランス本土から離れると、素晴らしい自然遺産が私たちを迎えてくれます。皇帝ナポレオンの出身地であるコルシカ島は、「ピアナのカランケ、ジロラータ湾、スカンドーラ自然保護区を含むポルト湾」という名称で世界遺産に登録されていますし、同じく世界自然遺産で、オセアニアの白い砂浜が眩しい「ニューカレドニアの礁湖:サンゴ礁の多様性と関連する生態系」は、地球の楽園と呼ぶに相応しい場所です。フランス本土にも、世界複合遺産としてスペインと共有で登録されている「モン・ペルデュ」があり、(スペイン世界遺産のスペイン領の島々にある)フランスの文化と大自然の両方を堪能できます。

フランスの魅力は、私たちが普段メディアで見聞きするものばかりではありません。古代から守られてきた大切な歴史と文化の全てが、いつの時代にも人々を魅了してやまないのです。フランスに行く時、そんな歴史の豊かさを味わえる世界遺産の数々を堪能してみてはいかがでしょうか?そうすれば、きっと想像以上にフランスの旅は感動的で素晴らしいものになるでしょう。